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安置と弔問マナーとは

面会法律で亡くなってから24時間が経過するまで火葬してはいけないという規定が定められています。息を引き取られてから納棺するまでの間に決めた場所へご遺体を置いておくことを安置と言います。葬儀が行われるまでの期間、ご遺体を保管する安置にはご自宅の他には安置室が利用されます。通夜前に故人と会うことができる安置室へ面会に行く際にはマナーや注意点があります。
今回の記事では、安置と弔問マナーについて詳しくお伝え致します。


安置とは

安置大切な方が亡くなった際にはすぐに決断しなければいけないことが次から次へと押し寄せてきてしまいます。ご遺体の安置にはそのものに重要な理由が込められていますから安置の必要性について理解を深めておきましょう。息を引き取られてから納棺するまでの間、自宅や葬儀社などで保管するのが安置の定義です。通夜の場所を決めたり、葬儀の日程を調整したりといった工程の前段階で実行する必要があります。安置が必要な理由は日本の法律で死亡直後の火葬が選択ができず、亡くなった方を火葬するまでを最低条件として亡くなってから24時間を要するためです。故人や遺族の希望であっても法律で決まっていますから、死亡後一日間の安置が必要条件であるという点を理解しておきましょう。安置場所については、特定の場所が決まっていない方は安置にかかる費用や希望もあわせて適切な選択肢を見極めることが大切です。安置場所を決める際には葬儀会社に相談しながら希望の形式を反映しますが、その際に周りの遺族の意見も含めて考決められるとより安心です。信仰している宗教がある方は、宗教や宗派によっては安置できる場所が決まっている場合がある為、不適切とされる場所がないか事前に確認した方が良いでしょう。安置する期間については先にもお伝えした通り、火葬までに要する期間が24時間ですから多くの場合は二~三日間程度の期間安置する傾向にあります。法律の遵守は重要ですがいつまでに火葬しなければならないといった点は明確に決められている訳ではありません。ですから遺族のご都合や火葬場の営業時間・スケジュールによっては、三日以上の期間を必要とする場合もあります。依頼先の規定で実行が遅れる可能性も考慮しておき、決めた日程通りに進められることがほとんどですから双方の食い違いがないよう打ち合わせを重ねる過程も大切になります。

費用や安置場所とは

安置場所の決め方は宗教や宗派によって安置できない場所がある点も事前に確認した上で自分の希望を踏まえつつ葬儀社に相談しながら総合的に考えることが大切です。具体的な安置場所は次の三つから選ぶことになります。

安置場所
●斎場・葬儀社の安置室
斎場や葬儀社にもご遺体を安置する施設があります。病院からご遺体を搬送する時点で利用する斎場や葬儀社が決まっていれば利用することが可能です。斎場や葬儀社の安置室であれば、通夜や葬儀の際にご遺体をほとんど移動させる必要がないので負担は少なくなります。
●自宅安置
自宅で安置する場合には布団を敷きその上にご遺体を寝かせ、腐敗を防いでご遺体の状態を維持する為にドライアイスなどで冷やします。自宅内に安置ができるスペースがあれば、自宅は亡くなった方にとっても遺族にとっても慣れ親しんだ場所である為、落ち着いて最後の別れができる選択肢といえます。
●民間の遺体保管所
民間の遺体保管所は火葬前の一時的な預かりである為、通常は1~2日程度の利用となります。24時間営業の場合が多く遺族がいつでも面会することができますが、自宅や斎場・葬儀社の安置室のように亡くなった方に付き添うことは出来ません。また、冷蔵設備が整っているかは保管所によって異なりますので設備が整っていない場合は自宅の場合と同じくドライアイスでの対応となります。

ご遺体の安置には適切な状態で安置を行う為さまざまな費用が発生します。具体的には、亡くなった場所や一時的な安置所から搬送する費用である遺体搬送費用・斎場や遺体保管所などを利用するための費用である安置施設利用料・ドライアイスなどのご遺体の状態を保つための費用である遺体保存にかかる費用・ご遺体の状態を確認しながら安置するための費用である付き添い費用です。それでは安置場所別の具体的な費用の相場についてお伝えしていきます。まずは斎場や葬儀社の専用安置室にかかる費用ですが、葬儀社によっては諸費用がプランとは別途に掛かる場合もあります。また葬儀社や斎場の安置室を利用する場合は施設利用料や付き添い費用を支払う必要がある場合もあります。依頼先やエリアによっても費用は大幅に変わる為、以下の目安を参考に把握してみてください。

斎場・葬儀社の専用安置室にかかる費用
遺体搬送費用……概ね2万円程度(10kmの搬送につき)
安置施設利用料…概ね5,000円~3万円程度
遺体保存費用……概ね5,000円~3万円程度
付き添い費用……概ね5万円前後程度

このように葬儀社や斎場によっては諸費用がプランとは別途に掛かるケースもあります。依頼する場合には詳しい内訳を確認しておくと安心です。
続いてご自宅で安置する場合の費用ですが、施設利用時にかかる費用が抑えられます。

自宅安置にかかる費用
遺体搬送費用……概ね2万円程度(10kmの搬送につき)
安置施設利用料…なし
遺体保存費用……概ね5,000円~3万円程度
付き添い費用……なし

最後に民間の遺体保管所の費用ですが、斎場への依頼に比べると比較的低価格な傾向にあります。依頼先によっては対応が異なる可能性もありますから信頼性も重視した上で選ぶことが大切です。

民間の遺体保管所にかかる費用
遺体搬送費用……概ね2万円程度(10kmの搬送につき)
安置施設利用料…概ね1万円前後程度
遺体保存費用……概ね7,000円前後程度
付き添い費用……概ね5,000円~3万円程度

遺体の搬送費用に関してはどの様な方法であっても大きく変わりません。施設の環境や自宅との距離も考慮し安心して任せられる場所を決めることが大切です。

宗教別の安置方法とは

安置する際の注意点については安置方法によって異なります。まずは斎場や葬儀社の安置室利用時の注意点ですが、依頼先によっては安置室へ安置をした後は通夜・葬儀の当日まで対面できない場合もあります。反対に付き添いができるように宿泊施設を備えている施設もありますが、希望者全員が付き添いをできない場合もありプランとは別途に費用もかかる場合もありますので事前の確認を取ることを忘れないようにしましょう。自宅安置時の注意点ですが、気をつけなければいけないのはご自身でしっかり管理できるのかという点です。自宅でご遺体を安置する場合はドライアイスを使用して保冷する事になりますが、きちんと保冷が出来ていないと腐敗が進んでしまいます。また、十分なスペースがあるかどうかという点も注意が必要です。高層階でエレベーター等を使用しなければいけない場合などには棺が入る大きさかを確認しておき、共用部分が狭い場合にも身動きがとれる十分な広さがあるかを事前に確認しておきましょう。最後に民間の保管所利用時の注意点ですが、遺体保管所はご遺体を一時的に安置しておく場所として作られたものですから冷蔵設備が整っていない施設も多くあります。ドライアイスのみでの保冷の場合は3日程度が目安である為、これを超えるとご遺体の腐敗や損傷が進んでしまいます。あくまでも一時的な保管に適していることを覚えておく必要があります。
ここからは宗教別の安置方法についてお伝えしていきます。どのような宗教・宗派に属しているかによって安置の方法が変わります。日本における三大宗教である仏教・神道・キリスト教の安置方法を紹介します。まず初めに仏教における安置方法です。薄めの敷布団に新品のシーツをつけてからご遺体を寝かせ上から薄い掛け布団を被せます。掛け布団を被せる際には上下を逆にするのが基本です。実際の枕は必要ありませんが、北枕か西枕でご遺体を寝かせます。白い布をご遺体の顔に掛け、手を胸元に持っていきます。手を合掌の形にし数珠を持たせます。また、枕元には枕飾りを置くのが仏式の作法で、白木の小さな台を用意し、ろうそくや香炉・花・鈴・一善飯・団子・水をお供えします。線香やろうそくの火は消さないよう配慮します。魔除けを目的として守り刀を布団の上に添える場合もあります。これらは一般的な仏式葬儀に向けた安置方法ですから、宗派や居住地域によっても違いがありますので事前に確認をするようにして下さい。安置場所については、ご自宅・斎場や葬儀場はもちろん、菩提寺の許可があれば寺院での安置も可能です。続いて神式における安置方法です。安置方法に関しては仏教式と多くの共通点がありますが、大きな相違点として神道では東枕か西枕にします。また、胸元で合掌させる際に数珠を使わないのも仏式との大きな違いです。榊やろうそく二本・お神酒・水・塩・洗米を白木の小台にお供えして枕飾りにします。安置場所は原則として神社での安置はできません。最後にキリスト教における安置方法です。神父または牧師の祈りの後に安置に入るのが通常です。決まりはありませんが一般的には北枕に向け、枕飾りに当てはまる習慣はないものの机に白い布を被せて聖書や十字架・燭台・生花を置くケースもあります。安置場所については神父や牧師の許可により教会に安置できる場合があります。


安置室の面会の可否

弔問遺体安置中の面会は、基本的に故人と深い関係の方や親族などの身内である場合のみ可能なケースが多いです。お通夜やお葬式までの間に遺体を安置する大切な場所ですから面会できるのは限られた方だけになります。また、そうした立場の方は安置を行っている数日間でお通夜やお葬式の手配や準備をしなければなりませんので大変多忙な状況である場合が多いです。故人と友人などの場合には、後から問題になることを防ぐ為にもご遺族の方にしっかりと了承を得てから弔問すると良いでしょう。ただし、先に述べたようにご遺族の方は大変多忙な状況である場合が多いですから、対応することができない可能性があることも視野に入れ理解しておく必要もあります。また、遺体を安置する施設によっては面会不可のところもありますし、面会時間に制限があったり、別途料金がかかったりする場合もあります。

弔問マナー

安置中の弔問マナーとして、一番大切なことは安置室を弔問する前に事前確認をするという事です。故人に会いに行く前には、ご遺族の方から同意を得たり安置施設へ面会が可能か確かめたりなど、必ず前もって確認を取りましょう。これらに加え、面会時間の確認や面会の可否については安置所によって異なってきますので実際の指示に従うようにしましょう。
また、適した服装で弔問するのも最低限のマナーです。安置中つまりお通夜前の弔問であっても、私服ではなくきちんと適した服装で行きましょう。派手で目立つ色の服は避け黒などの目立たない服や暗い色の服が適切となりますので、男性であれば黒を基調としたスーツ(ビジネススーツなども可)を着用しましょう。女性の場合には、目立たない色のスーツやアンサンブルを着用し、化粧は薄めに施し、結婚指輪はつけたままでも問題ありませんが装飾品は極力つけていかないように気をつけましょう。実際に服装の指定はご遺体の安置所ごとに違う場合もありますので、事前に確認をするとより安心です。
故人と面会する際の手順としては、基本的にはお悔やみの言葉を伝え、お供え物がある場合はご遺族の方に渡します。遺族に勧められた場合には焼香が可能な場合もあるでしょう。具体的な面会の手順としては、まず故人の枕元に正座をし手をついて一礼しましょう。その後に遺族の方が故人の顔にかかった白布を外してくれたら故人に一礼し合掌をします。※この際白布を外すのはご遺族の方が行う事ですのでご自身で勝手に外す事はしないようにしましょう。※ 最後に下がって遺族に対し一礼をして終了となります。面会時間は限られている場合が多いですが、その中でもなるべく短くしお悔やみを伝える程度で済ませる様にしましょう。また、基本的なマナーですが死因などを細かく聞いてしまう行為はご遺族の方の気持ちに負担をかけてしまいますからやめましょう。
遺体安置中の弔問時にはお葬式やお通夜に参列する予定があるのであれば香典を持参しないようにしましょう。面会時に香典を持参してしまうと死を予想していたように感じられてしまいますので、マナー違反にあたります。もしも何か持参したいのであれば、故人が生前好きだったものや花などのお供え物を代わりに持っていくと良いでしょう。ただし、香典の持参は絶対に不可というわけではありませんので、時と場合によっては香典を渡すことも可能です。なんらかの都合により通夜や葬儀に行けないなど、どうしても渡したい場合には事前に確認をするなどしてから状況に応じた対応を心掛けましょう。
最後に、安置中に弔問した際には故人のご遺族や親族の方へのお悔やみの言葉を忘れずにきちんと伝えるようにしましょう。故人と面会をして顔だけを見てお悔やみの言葉を伝えないのは失礼でマナー違反ですから、故人のご遺族や親族の方への気持ちを考え、お悔やみの言葉をきちんと伝えましょう。

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